笑顔のチカラ

 さきほど車を運転中、左折して細い道に入ろうとしたときのこと。
歩行者の方が間もなく横断歩道に到達しそうだったので待っていると、50代半ばくらいとお見受けするその方がニコッと笑って「お先にどうぞ」というゼスチャーをしてくださったのです。不意のことだったのですが、嬉しくて私も私なりの最高の笑顔(のつもり)で、譲っていただいたお礼の会釈をしました。

 私は車で移動することがほとんどです。
 先日、昨年末に奥様が交通事故に遭われ、今も意識不明の状態が続いている知人を訪ね、事故の状況、奥様の状態などを伺いました。その際、歩行者がいれば車は止まるものと信じていた奥様も悪いが、歩行者がいるのに通り過ぎようとした運転手はもっと許せないという話を聞き、運転をするものとして、改めて気を引き締たところでした。
 
 ところで話は飛びますが、私は15年ほど前から4年間、主人の勤める会社の社宅の都合で横浜市の金沢区に住んでいました。そこは、横須賀基地とそこに働く方の住まいである池子住宅が近いこともあり、たくさんのアメリカ人一家と交流していました。9.11のはるか前だったので警備も今ほど厳しくなく、住人ではなくても車のまま基地内にも入ることもできました。その時感じたのは、基地内の交通ルールの厳しさです。基地内…とはいえ、そこは一つの街なのでかなり広いのですが、制限速度は当時20キロ、横断歩道の前での一時停止は、人がいようがいまいが必ずしなければならないのです。あるとき私が「人がいないときくらい通過してはいけないのか」と友人に尋ねると、「日本人は歩行者が待っていても車が優先という顔で平気で通り過ぎていく。そのルールが理解できない」と逆にあきれられてしまいました。そのような経験があり、私はできるだけ歩行者が待っているところはもちろん、よく歩行者が通る横断歩道も一時停止します。しかし、悲しいことにそうすると後続車から追い抜かれそうになったり、パッシングやクラクションを鳴らされることもたびたびあります。電車を並んで待てる秩序を持つ国民性の日本人なのに、車の運転となると、横断歩道を一時停止できない人が実に多いのです。また、私は止まっても、反対車線の運転手が止まる保証はないので、いざというときはパッシングするつもりで、いつも対向車の運転席をじっと見つめてしまいます。
 一方、歩行者の方も、たいがいの方は会釈をしてくださるのですが、時には、相当待たされた後だったのか睨んで行く方、携帯を見ながらスーッと通り過ぎて行く方など、いろいろな方に巡り合います。ですが、一度たりとも、今日の方のように、ニコッと満面の笑みで接してくださる方はいませんでした。私も、照れくさいので、歩行者や右折の車に譲るときは、無表情で対応してしまいがちですが、今日の方のように満面の笑みで…という訳にはいかないと思いますが、少しでも微笑んでやってみようと心に決めました。

 さきほどの奥様が事故に遭われた知人も、経過が思わしくないことは周辺の方から漏れ聞いていたので、なかなか伺うことができなかったのですが、勇気を出して久しぶりに尋ねた私を笑顔で迎えてくださったときは、本当に嬉しく、また、安心できました。
 笑顔は、人の心を温かくする魔法を持っています。 このことを、私は、今日出会った横断歩道のご婦人に改めて教えていただきました。

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