住民のためのコミュニティ交通導入を

タウンニュース連載48 平成28年10月28日号

 川崎市では、満70歳以上の方の社会参加支援を目的として市内を運行する路線バスに優待乗車できる「高齢者特別乗車証明書」を発行しています。利用には、バス乗車時に証明書を提示すると大人料金の半額で乗車できる方法と、高齢者フリーパスを購入し乗車する方法があります。フリーパスは、例えば1カ月3千円のところ市が2千円補助し、利用者は千円負担で購入できるように、料金の3分の2を市が補助しています。昨年度の決算で調べたところ、対象者は約19万2千人ですが、フリーパスを購入した延べ人数は約9万2千人でした。フリーパスを購入せずに利用されている方もいることから一概に当てはめることは難しいかもしれませんが、対象者の半数以上の方が利用していない現状も読み取れます。これには本市の交通事情が深く関わっているのではないでしょうか。高齢者特別乗車証は、もちろん市内を走る民間事業者が運行するバスでも利用できます。しかし、麻生区内では、他の区のようにバス路線が充実している訳ではなく、本来そういった地域を補うべき市営バスも麻生区内では新百合ヶ丘駅から白山グリーンタウン間の路線以外は通過点でしかなく、総延長も約10㎞しかありません。

岡上西地区の実態
 9月から、岡上西地区ではタクシーによるコミュニティ交通の試行運行が始まっています。横浜市と町田市に囲まれていることが影響し、岡上には川崎市のバス路線は設けられていません。特に西地区は急坂と狭く湾曲した道路など、交通事情としては難しい課題が山積している場所です。そうした地形のため、業界でも初の試みとなる「タクシーを利用したコミュニティ交通事業」は、協力いただいているタクシー会社によると「業界でも注目されている」そうです。
 しかし、今回の試行運行では、タクシーならではの利便性が十分活用された計画となっていないことが残念です。なぜなら、地元町会が望んだコミュニティ交通の目的は買い物、通院などの利便性の向上を目指した駅への「足」の確保でしたが、今回の計画では、タクシーを活用しながら急坂の上にも行かず、駅の手前200mほどの位置に設定された場所と、住宅街の一番奥の平坦な道を結ぶものだからです。しかも、利用するためには事前登録をした上で、利用日前日までに予約をしなければならず、料金設定も1回400円と決して安くありません。それでも、「高齢者特別乗車証明書」を提示することで100円割引になるそうですが、それだけです。
 そこで、導入にあたり私が所属するまちづくり委員会に試行運行までの経緯や方法などの報告があった際に、この乗車証のフリーパスの活用について質しましたが、今回は、あくまでも試行であるため、導入は検討していないとのことでした。しかしながら、所管する部局も12月に試行運行が終了した後、町会の皆さんにアンケート調査を実施するなどして利用しやすく持続できる方策を検討していくという答弁がありましたので、私としても町会の方々のご意見を伺い、タクシー会社にも、市の関わり方などについてもご意見を伺いながら、実効性のある、市民の足となるコミュニティ交通の普及に取り組んでいきたいと思います。

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