請願の趣旨採択、その重みとは?

 先日、私が所属している健康福祉委員会で、川崎市役所のほど近くに予定されている簡易宿泊所の建設に反対する請願の審議が行われました。簡易宿泊所というのは、旅館業法上では「客室面積基準が一人当たり1.65㎡以上、一部屋当たり4.95㎡以上」とされ、ビジネスホテルもここに分類されます。
 今回の件で問題のひとつは「予定されている1ヵ月の宿泊費」です。生活保護法上の住宅費上限額は、単身世帯の場合、生活困難者のための簡易住宅や宿泊所を利用する場合は5万3700円なのに対し、一般の簡易宿泊所を利用する場合は、「1泊の宿泊料×30日」と算定し、6万9800円までとなっています。簡易宿泊所でも法律上は居住地として認められ、しかも一般の人も使う可能性のある施設に宿泊する場合の住宅費は、満額支払われるため、業者は、建設できる場所を虎視眈々と探していると思われます。もし川崎市が安易にこのような施設の建設を許可すれば、業者は狙いを定め、次々に申請をしてくることも考えられます。
 今回も建築面積わずか104.44㎡に7階建て59室59人収容出来る施設の1ヵ月の宿泊料が6万9千円と予定されています。これはまさに生活保護で受け取れる住宅費の上限に合致します。先日、板橋区で発生した死亡火災の件などでも問題になりましたが、私たちはこの施設が、いわゆる「貧困ビジネス」の温床になってしまうことを最も問題視しています。
 今回の請願は、傍聴者30人、3時間を超える審議の結果、全会派一致で趣旨採択となりました。しかしその結論には、業者に建設を差し止める強制力も、建築物の内容を変更させる力もありません。私は、この事についても甚だ疑問に感じています。

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